副科ピアノは、音大受験生や音高生にとって重要な科目の一つです。主要な専攻に加え、ピアノの基礎力を身につけることは、音楽全体の理解を深めるためにもとても有効です。しかし、学生にとって副科ピアノの練習は、時間的にも精神的にも負担になることが少なくありません。
この記事では、副科ピアノの効果的な練習方法や、おすすめのピアノ教本について紹介します。この記事を参考にして、練習の質を高め、楽しく効率的に練習を進めていきましょう!
目次
効果的な練習法
副科ピアノの上達には、毎日の練習が欠かせません。まずは短時間でも毎日ピアノの前に座り、弾く癖をつけましょう。
スケジュールを立てる
①練習スケジュールの作成
忙しいスケジュールの中でも、まずは毎日15〜30分をピアノの練習に充てることを目指しましょう。スマホのタイマー機能を使って、30分タイマーをかけておくと、だらだらと練習するのを防ぐことができるのでおすすめです。
②短時間でできる効果的な練習
短時間しか練習できない日でも、集中して練習することで上達できます。例えば、苦手なフレーズを集中的に繰り返す部分練習や、指の動きを確認する基礎練習はどんどん指がスムーズに動くようになってくれるので是非取り入れてみてくださいね。
指がスラスラ動くようになる練習
①基本的なスケールとアルペジオの練習
スケールやアルペジオの練習は、指を独立して動かす必要があるピアノにおいてかなり重要な練習です。そして、鍵盤の配置の間隔を指に覚えさせることもできます。実は、かなり意味のある基礎練習なので、曲の練習をする前に取り入れてみてくださいね。
②指の独立性を高める教本
有名ですが、ハノンやチェルニーなどのエクササイズはどれを弾いても指のトレーニングになります。スポーツ選手で筋トレやストレッチをサボる人はいないように、ピアノにもピアノに必要な指のトレーニングが必須ということです。
メトロノーム使っていますか?
①リズム感の強化
メトロノームを使ってピアノ練習をすることで、正確なリズム感を身に付けることができます。最初はメトロノームに合わせて弾くことが難しい場合もありますが、レッスンで先生にどんどん相談して一緒に合わせる方法を教えてもらいましょう。
②テンポを一定に保つ練習法
一定のテンポで弾くことは、意外と難しいのです。それぞれ苦手な部分、得意でスラスラ弾ける部分がありますよね。初めは苦手な部分が確実に弾けるようなゆっくりとしたテンポで弾けるようにして、少しずつ目標のテンポまで上げていきましょう。
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3. おすすめのピアノ教本&愛用している教本
副科ピアノの学習を効果的に進めるためには、自分のレベルや目標にあった教本を選ぶことが重要です。
初心者向け・中級者向け、そして私が実際に副科ピアノの生徒を指導するときに使っている教本を紹介します。今の自分に合った教本を選んで、練習に使ってみてくださいね。
初級者向け
教本1: 『はじめから1人で学べる 大人のためのピアノレッスン 上巻(DVD付き)』
- レッスンに通う前や、習い始めの初心者におすすめのピアノ教本
- おすすめポイント:楽譜だけではなく、知識(音楽理論の初歩)も解説付きで学べる
- 外装もブラックでおとなしいので、こども向け教本ではない
- 解説がていねいなので、疑問を解決しながら学習することができる
- ウォーミングアップから、名曲まで揃っている
教本2: 『バーナム ピアノテクニック 1』
- ひとつひとつが短い曲なので、練習を始めたばかりの初心者におすすめ
- 各曲は「歩こう」など運動の名前がついているのでトレーニングしている内容がわかりやすい
- 初心者の最大の壁である、指がバラバラに動かせない!に役立つ基礎が身につく
- 筆者の私も初心者教本はこちらを使ってレッスンに通っていました
中級者向け
教本1: 『チェルニー30番練習曲』
- 音大に行く人がほぼ100%通る練習曲集
- 技術的な向上はもちろん、曲調もさまざまで音楽性も養うことができる
- 各曲が特定の技術を集中的に鍛えるように設計されている
- 毎日の練習に取り入れることで、指の独立性やスピードを向上させることができる
教本2: 『ブルグミュラー25の練習曲』
- 表現力とテクニックの両方を養うことができる
- 各曲は比較的短く、取り組みやすい長さ
- 音楽性を高めるための美しいメロディーが多く、好きな曲として上がる名曲が多い
- 美しく、かっこいい曲が多いため、演奏会で披露することも多い
私のレッスンで実際に使っている教本
教本1: 『初心者ピアノベストソングス(2024)音名カナ付き』
- 私自身は中高生以上を教えることが多いので、クラシック教本以外も使います
- 副科ピアノは特に、ピアノが楽しいという印象から始めてほしい
- 全曲ではなく、好きなポップス2曲くらい+巻末のクラシック終了後にクラシック教本へ
- 人の前でちょっと弾ける名曲があるとモチベーション上がります
教本2: 『全訳ハノンピアノ教本 』
- 指がバラバラに動いてくれない!を解決できる超王道の教本
- ただ弾いてもつまらないので、何のトレーニングなのか考えて弾くと上達の近道
- 曲を練習している際に起こる、苦手な動きがどんどん改善されていく
- ハノンの指の動きは、ピアノの難曲にも使えるほどなので上達がとにかく速くなる
4. 上達に欠かせないルール
目標設定
▼短期目標と長期目標の設定
目標もなく、毎日練習を頑張るなんて無理な話です。例えば部活でも、コンクールメンバーに選ばれるためとか、ソロを貰うためとか何かしらの目標があるから頑張りますよね。目標には2種類あるので、両方の目標を決めて達成率をグッと上げていきましょう!
- 短期目標: 「今週中にこの曲の1ページ目を弾けるようにする」や「次のレッスンまでにスケール練習を完璧にする」など、短期間で達成可能な目標を設定しましょう。
- 長期目標: 「半年後の副科ピアノ試験でこの曲を演奏する」や「音大入試までにこのレベルの曲を弾けるようにする」など、長期的な目標を設定することで、練習に対するモチベーションを保ちやすくなります。
上達速度が変わるレッスンの受け方
▼レッスンで指示待ち状態になってませんか?
レッスン前の一週間でやってほしいことがあります。それは、練習中に上手くいかなかった部分をメモしておいてください。もし、どんどん質問や疑問点が出てくる場合はスマホなどにメモしておきましょう!
そのメモを使って、レッスン中に積極的に質問しましょう!具体的なアドバイスをもらうことで、自分の弱点や改善点がみつかります。質問していいのかな?という心配は全くしなくていいです。積極的に上達しようという姿勢に、喜ばない先生はいませんので安心してくださいね。
▼弾きたい曲を先生と共有しておく
自分が好きな曲や憧れの曲は、練習のモチベーションも上がります。今すぐ弾けなくても、その曲を目標にレッスンを進めていくこともできます。もしクラシックで見つからない場合は、ポップスや流行りの曲でもいいです。練習の合間に、息抜き程度に弾くと癒されますよ♪
5. まとめ
副科ピアノの効果的な練習法やおすすめ教本について紹介しました。以下に重要なポイントをまとめておきます
- 効果的な練習法: 毎日最低15分練習、指のトレーニング、タイマーの活用、メトロノームの活用が重要です。
- 自分に合っている教本: 初級から中級まで、自分に合った教本を選びましょう!無理にレベルをあげたりせず、自分にあった教本を選びましょう。
- モチベーションの維持: 目標を決める、積極的なレッスンの受け方、飽きない練習法の工夫が大切です。
副科ピアノの練習は、自分に合った教本を取りいれることで、より短期間で上達することができます。
毎日15分の練習から定着させていき、練習やレッスンを充実させながらピアノの技術を高めていきましょう♪