「絶対音感がないと聴音は難しい」
こんな話、よく聴きますよね。
そう思ってしまうのも当たり前ですが、現実は違います。
ちゃんと、努力する方法もあるんです。
普通科からだってソルフェージュの成績を伸ばして合格することは可能です。
実際に音大受験生のソルフェージュレッスンをしてきた私が、詳しく解説します。
聴音に必要なスキルは2つ
ココがポイント
❶ 音感
❷ 楽譜を書くための知識
この二つが聴音の2大要素です。
どんなに現段階で耳が良くても、書く力が無ければ楽譜にはできません。
書く力だけあっても、音感を鍛えなければそもそも聴こえない。
聴音においてこの2つの要素は、どちらも鍛えていく必要があります。
楽譜を書くための知識
毎日見てるはずなのに、楽譜が書けなくても安心してください。
楽譜を読む力があっても、書く力は別物だったりします。
楽譜を書くには、楽譜の知識(音符や記号など)が必須です。
ココがポイント
・ト音記号や拍子などの記号の知識
・聴こえた音を楽譜に書くリズムの知識
・音符や休符の知識
知識としては楽典(音楽理論)の範囲ですが、
聴音の書き方は実際に書きながら覚える方が効率がいいです。
聴音も、問題の種類によって楽譜の書き方が変わります。
聴音の問題は3つのタイプに分かれる
ココがポイント
①単旋律(メロディーだけ)
②複旋律(メロディーが2つ or メロディーとベース音など)
③和声(3声や4声の和音)
単旋律ならト音記号、複旋律なら大譜表。
課題によって、それぞれ楽譜の書き方が変わります。
先ほど紹介したインスタでは聴音の書き方も配信しているので、勉強に役立ててくださいね。
音感を鍛える練習方法
音感を鍛えるには
歌うこと
ソルフェージュは歌うことから始めると言ってもいいくらい、歌うことが重要。
楽器の練習があるように、音感を鍛える練習方法もあります。
しかもこの練習方法、聴音&新曲視唱の両方に効果的な方法なんです!
いま「ソルフェージュ苦手…無理…」と思っている人は全員いまから教える練習をやってみてください。
毎日の楽器の練習時間に、10分プラスして継続するだけで本当に成績上がってきます。
メロディーをドレミで歌う
先ほども言いましたが、ソルフェージュの練習で一番重要なのは「歌うこと」です。
練習方法
①専攻楽器の楽譜でも何でもいいので、楽譜を用意
②その楽譜のメロディーを8小節くらい選んで、「ドレミ」で歌う(実音で)
③音が取れない人はピアノで弾きながらゆっくり歌う
④ピアノなしで正確に歌えるまで繰り返したら終了
慣れれば10~15分で終わります。
慣れるまでは、丁寧に・急がず歌ってくださいね!
ドレミを読むのが苦手な人は、全部の音にフリガナ書いてもOK。
ドレミで歌うのがポイントです。
ココに注意
ラララとかで歌ってもあまり意味ないので、
必ずドレミで歌うことを忘れないで!
ドレミで歌って、音感がよくなる理由
ココがポイント
正しいピッチで音を認識するため
「ド」と弾いた音を、「ド」と聴こえる状態にしたいわけです。
絶対にドレミで歌ってほしいのは、これが理由。
ラララで歌っても、歌が上手くなるだけで音は分かるようになりません。
何でもいいからメロディーを、ピアノをガイドにしてドレミで歌う。
慣れてきたら、受験に向けて新曲視唱の教本を買って毎日違うメロディーを歌ってください。
音大の受験生向け講習会や、私のレッスンでも実際に使っている教本を貼っておきます。
やさしいレベルから、受験レベルまで幅広いので徐々にレベルアップできるのでオススメです。
この練習で注意するポイントまとめ
ココに注意
・ピアノなどのピッチが合った楽器で確認しながら歌う
・必ず「ドレミ」で歌う
・ドレミを歌うときはハッキリとした発音で歌う
・音が取れるようになってきたら、リズムも意識する
・最初は上手くできなくて当たり前。継続することが最重要ポイント。
この練習を継続した生徒で、ソルフェージュの成績が上がらなかった人は未だにいないので、さっそく今日の実技練習の前に、やってみてください♪
講師がおすすめする教本3選
レッスンだけじゃ不安だから自宅でも受験対策したい方のために、ソルフェージュ講師が選ぶ教材を紹介します。
音大受験生のためのパーフェクトソルフェージュ[旋律聴音編] ¥5,490
有名なシリーズです。音大受験用なので、高校生向けになっています。課題音源付きなのも嬉しいポイントです。
新訂 独習聴音問題集(上) CD-ROM付 ¥2,750
やさしいレベルから始まるので、初心者にもおすすめです。こちらも課題の音源付きです。
演奏につなげる 和声聴音 音源ダウンロード対応 ¥1,980
単旋律から和声聴音まで、まるっと一冊で対策できます。音源はCDではなく、ダウンロード式なのでとても便利です。
【よくある相談】
ピアノやってる人って音感いい人多くない?
「ピアノ科はやっぱりすごいな~」なんてよく聞きますよね。
私自身もピアノ科ですが、確かに音感はいい方です。
ソルフェージュに関しては、音感だけじゃ成績は良くならないので努力しましたが…!
なぜピアノ科には耳のいい人が多いのか、気になりませんか?
幼少期から楽器を習っている人の特徴
幼少期から始める人が多い楽器。
例えば、ピアノやバイオリン。
3歳・4歳とかの楽器レッスンって、楽器を弾くだけじゃないんです。
こんなレッスンしてました
・音符をドレミで読む
・色んな曲を歌う
・カスタネットやお手玉でリズムを刻むゲーム
・簡単な音楽ドリルが宿題として出される
ここまで記事を読んでくれた人ならピンとくると思います。
そうなんです、もうその年齢からソルフェージュの基礎をやっていただけ。
「じゃあもう追いつけないじゃん」と思った人はこの先を絶対読んでくださいね。
理解度で中高生が負けるわけない
ピアノの実技で10年以上やっている人に初心者が追いつくのは難しいですが、
ソルフェージュは真面目に練習・学習すれば追いつけます。
幼少期からやっている人が音感いいとか、知識があるとか当たり前なんです。
長い時間かけて、ゆっくり学んできただけ。
ズバリ!
幼稚園生・小学生に身に付く知識を、中高生が理解できないわけない
ソルフェージュを全く学んでこなかった生徒でも、
しっかり練習とレッスンをしていれば、必ず成績は上がります。
少し厳しい言い方をしますが、有益な情報だと思うので聞いてください。
ココが大事
「自分は音感がないからどうせ無理と思う時間があったら歌う」
「楽譜の知識がない人は、今すぐ楽譜の書き方・知識を身につける」
「ソルフェージュができるようになると演奏もグレードアップする」
これを意識するだけで、成績はジリジリと確実に上がっていきます。
演奏もそうですが、練習しないで急にできるようになることなんてないですよね。
やったら、やっただけ伸びていくのが当たり前です。
今回のまとめ
聴音の成績を上げるには、
ココがポイント
・聴音に必要なスキルは「音感」と「楽譜を書く知識」
・音感はドレミで歌う練習で鍛えられる
・楽譜の書き方は実践方式で覚えたほうが効率的
・まずは今日から学んだことを実行するのがファーストステップ
手元にピアノがない人は、ピアノのアプリでもいいから正しいピッチで歌ってくださいね。
質問があったらいつでもInstagramのDMに送ってくださいね♪
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